あなたは、戦術を見守るリーダーですか?
2025.02.05
最終更新日:
2025/02/05

ーーー5,000兆円の予算がある。
ならば思いついたことを全て実行しよう。
しかし、現実はそうもいきません。
限られた資源で目的を達成するには、どのように資源配分すべきかの戦略を練る必要があります。
戦略づくりは非常に難しい知的生産業務です。
それっぽいものはChatGPTで10秒で作れますが、今の自分たちが置かれている境遇となすべき目的のための戦略になれているか、100%の自信がある人は多くないでしょう。
私の実務を通じて得た学びを共有したいと思います。
部分最適になりがち、そして全体最適は実に大変な仕事
戦略を決める人と戦術を実行する人が分かれているのは、よくあることです。
しかし、そこが噛み合っていないと全くうまくいきません。
戦略と戦術が分断されていると、SEO担当は「検索ボリュームが大きい順に記事を作ろう」という発想に陥ったり、SNS担当はSNS上のトレンドだけを追って投稿を作成するかもしれません。
これでは部分最適になってしまい、ものすごくもったいないです。
かといって、全体最適化は非常に手間がかかるのです。
全体の視点を把握するための学習や各部門との調整にはエネルギーが必要です。全体を統括する役割が重要なのです。
例えば戦略的にターゲットに合わせて広告やメルマガ、サイト改善、アプリ、Web接客、店舗接客などをメッセージングを統合する必要があるとしたら、結構な労力がかかりますよね。めんどくさそうですよね。
広告運用も採用広報もIRも社内広報もコーポレートブランディングもサービスPRも全部を調整するのはめんどうだと思いませんか?
個別に「良きに任せた」の方が圧倒的に楽だと思います。統率する人が「詳細はわからん。現場のリーダーたちに任せてる」で動かなくてもいいのですから。
サイロ化してたら楽をすることができます。情報を共有しなくてもよく、自分たちの領域に閉じこもっていれば良いのです。
でもこれって部分最適化になってしまいますよね。
部分最適化は楽なのです。自分の領域に閉じこもり、改善に励むことができます。
それでも、成果を最大化するためにはこの全体最適のアクションが重要なのです。
ここがリーダーの仕事です。
どんなに良い戦略で、どんなに優れた実行者が居ても、戦略と戦術に一貫性がなければ無意味になってしまいます。
部分最適の戦術の詰め合わせパックでは、もったいないです。
・戦略と戦術・運用まで一貫して見ているか
・戦略が戦術に反映されているか
・戦術単体の部分最適で考えていないか、全体最適で考えているか
戦術の担当者らは、Webサイトで公開するコンテンツやSEO、SNSでの発信は、すべて「どのようなターゲットに何を伝えるか」を戦略に則って設計できていますか?
即答できるくらい、先ほどのような観点で実行にもきちんと目を行き届かせることが重要です。
参考記事として、こちらのnoteもどうぞ。
戦略を浸透させる執念があるか
では、戦略と戦術の分断を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。
私は戦略設計を担う部門長にこそ、戦略を立てて終わりにせず、戦術が実行されるまで見守りましょうとお伝えしたいです。
例えば、「今期のマーケティング戦略はこれでいきます!」と、四半期ごとの定例会で話して満足していませんか?
たった一回限りの戦略発表会で、チームメンバーは戦略を完全理解して自身の業務に落とし込み続けられるでしょうか。会議用に作った数十ページの資料や、60分ぐらいの発表を一気に咀嚼できるでしょうか。
一度言っただけではなかなか伝わらないので、戦略は繰り返し話し続ける必要があります。
「うちのメンバーは、なかなか良いアイディアを出してくれない」と思っていませんか?
しかしそれは、戦略が浸透していないせいかもしれないのです。
(もう一つの要因はインプット不足です。引き出しのストックが少ないせいかもしれません。引き出しが空っぽなままでは、何も出てきませんよね。競合を調べるのはもちろん、異業種の事例なども集めましょう。)
方向性をきちんと示せていないから、筋違いのアイディアになっている可能性があります。
戦略浸透の怠惰は、こんな形でも現れます。
戦略を立てた部門長自身が、戦略が浸透するように働きかけるべき役割があります。
策定だけが役割ではありません。浸透もセットです。実行がセットです。
戦略を聞いたメンバーがちゃんと強い戦術を発想できるように、部門長は「実行」のフェーズまで見守る・見通すことが大切です。
戦術を思いつけない戦略家になっていないか
戦術が出てこない戦略家になるな。
これは抽象論の世界にひたってる証拠かもしれません。
そもそも、戦術を思いつけない戦略になっていてはダメなんですよね。
戦略はもちろん大事なんですが、「具体的にどうするのか」という問いに自信を持って答えられるような戦略になっているかも、戦略の良し悪しを分けるポイントです。
以前に読んだアル・ライズのこの本がよかったです。
戦術から戦略、戦略は戦術を束ねるという思考がすごい刺さりました。
「おれは戦術の人ではなくなった」「もう現場で手を動かさないアガリのポジションについた」などと思うのはお門違いです。驕りです。
戦術がでてこない戦略は、勝ちにつながりません。
戦略と戦術は完全に分離できるものではないからです。
戦略を作るのは、とてつもなく大変です。
さらに頭が引き千切れるほど戦略を考えた上で、「具体的な打ち手はどうしたら良いか」というところまで浮かぶ戦略になれているかもさらに考え抜きましょう。
また、もし高尚な話をしてマウンティングしてくるような人がいたら、こう問うてください。
「(いい戦略とのことですが、)で、強い戦術は浮かびますか?」
もっともらしい事を言うのは最も簡単です。
頭が引きちぎれるほど考えることが目一杯あるけど、打ち手を繰り出してお客様に価値を感じてもらって使っていただいて喜ばれることまで見守る、見渡していくことです。
戦略も戦術も強い人になろうと、自戒も込めて思いました。
マーケティング施策が実行できないのは100% の組織の問題
組織の問題はリーダーの問題です。あああ、お腹が痛くなってきた。
まず、「誰がやるか」を決められていない組織では、タスクが宙に浮きます。
担当者が決まらないタスクは、「誰もやらない」に等しい。
誰も拾わないボールは実行されることはありません。
いくらアイデアを練っても、お客様への価値提供にはつながりません。
次に、「どうやるか」が誰もわからないままで、レクチャーもされずに放置されていたら実行はされません。
前述の戦略の浸透不足も大きな障壁になります。
戦略が十分に伝わらず、メンバーがその意図を理解していないために、迷った末の戦術がズレてしまう。
これでは組織の力を結集することはできません。
また、リソース不足が原因でやりたくてもやれないかもしれません。
ここに対してリーダーがリソースをかき集めたり、やらないことを思い切って決めて優先順位づけしなければ、「新しいやりたいこと」はなされず、日常業務にリソースを費されるのみです。
リーダーが「戦略を作ったら私の仕事は終わりだ」という姿勢では、実行はなかなかされませんよね。
参考記事としてこちらのnoteもどうぞ。
マーケティング組織づくりでは「実行システム」をデザインして実行力を高めよう
戦略と戦術の一貫性はトップの仕事
繰り返しになりますが、部門長の方は、
「戦略ができて満足していませんか?」
「ちゃんと自部門に浸透させていますか?」
「日々繰り出している打ち手は、戦略に則っていますか?」
という問いを常に持ちましょう。
そして、戦略と戦術の一貫にこだわり、成果の最大化を目指しましょう。
戦術から戦略へのキャリア移動について、戦略なんて考えるようなポジションじゃないと思っている方は、勝手に戦略のプランを考えて上司にぶつけてみる(仕事を奪う)方法もあるのでおすすめです。
経営は実行、そう捉えるくらいがちょうどいいかもしれません。





