【最新版】マーケティングスキルマップVer.3.0を作ってみた

2025.04.25

最終更新日:

2026/8/28

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こんにちは、スノードームの室谷(@rmuroya)です。

私は、強いチームづくりを目的にマーケティングスキルマップというものをよく使っています。

今回、2018年に公開した第一弾から、7年ぶりの改訂版となるマーケティングスキルマップVer.3.0を作成しました。皆様にもお裾分けしたいと思い、公開いたします。

マーケティングスキルマップを活用して、これからのAI時代のスキルについて見つめ直してみるのもおすすめです。

長期休暇にじっくり内省を深めたり、キャリアや自身や事業の成長戦略を見つめ直す参考になれば嬉しいです。

マーケティングスキルマップVer.3.0の図

以下のGoogleスライドより拡大表示したり、印刷いただけます。

https://docs.google.com/presentation/d/1jdbIJTB_a16WcBFFwLK0DG3e2tdWP4s137CG4JIhruY/edit?slide=id.g3d4e7157862_0_144#slide=id.g3d4e7157862_0_144

今回は2段構成から、3段構成へと変えました。

上二つが個人としてのマーケティング戦術実行における「仮説構築力(良い仮説をつくる力)」と「施策遂行力(強い施策を遂行できる力)」です。

一番下が「組織実行力」に関するスキル(商売繁盛に欠かせないそろばんや、組織を動かす関連)や底上げスキルであるAI活用を配置しています。

<参考:旧バージョンのマーケティングスキルマップ>

このスキルマップの前提

毎度、この注釈から入りますが、大切なポイントですのでご説明いたします。

・この世にあらゆるケースで万能なスキルマップなんて存在しません

・これはデジタル&戦術寄りです。4Pのプロモーション寄りです。

・『ブランディングの科学』的に言えば、メンタルアベイラビリティが多く、フィジカルアベイラビリティにはあまり触れていません

・BtoC寄りです。BtoBではセミナーや展示会やMA/SFA、セールス連携とかも大事ですが、今回それは含まれていません

・また、戦略寄りの市場構造やターゲット選定やブランドヘルスチェックなども触れられていません。大人数で行う施策の実行に焦点を当てているためです

ということで、目的やご自身の担当商品やカテゴリ構造等に応じてご自由にアレンジする前提で参考になればと思います。叩き台としてご活用ください。

マーケティングスキルマップの活用例

このように、紙で印刷してじっくり見つめ合ってみるのもおすすめです。

パソコンのモニターで見つめるのもいいですが、向き合い方の身体感覚がWebと紙では断然に違います。距離感や、体験が全然違うのです。

・自分は今どのスキルを持っているのか

・これから伸ばしていきたいスキルは何か

を、ペンを持ちながらじっくり遅い思考(システム2の思考)で考えてみるのがおすすめです。

記入の仕方はいろいろありますが、上記のように色を分けて丸で囲ったり、

  • 経験があるものにレ点をつける

  • 知らなかったものには線を引いてみる

  • これから強化したいスキルは大きな丸を

などなど、ご自由に使い倒してみてください。

俯瞰して自分自身のスキルのcanやwillを見つめ直せて便利です。

<チェック観点の例>

  • 知らない用語があるなら、調べてみましょう

  • AIに代替できる(されてしまう)スキルはなんだろうか?

  • 仮説構築力の、顧客理解とデータ理解に偏りがないか?

  • 集客・接客・CRMの全体像は知識としてはあるか?

  • クリエイティブは審美眼はどうか

  • ROASや費用対効果など、会計知識はあるか

  • このスキルマップを眺めて、自社の戦略調整の発想が浮かんでくるか?

  • 足元の実行力はあるか?

などなど。

GoogleスプレッドシートやExcelで記入できるテンプレートもご用意しました。

フォームへの個人情報への入力不要です。こちらの資料ページから入手してください。

マーケティングスキルのアセスメントシート(自己評価と記入テンプレート)

アップデート内容:「組織実行力」の新設

2.0から3.0へのアップデートで、「組織実行力」という新たな要素を一番下の階層に追加しました。項目としては「会計」「交渉」「AI活用」が並んでいて、これまでにはなかった観点です。

なぜ組織実行力の項目を追加したのかというと、マーケティング施策は個人のスキルどうこうではなく、組織としての実行力にも左右されるからです。

これまでのスキルマップでは、「仮説構築力」「施策遂行力」と、個人ベースの実行力にフォーカスしていましたが、実際の現場ではそれだけじゃ動かないことも多いです。

予算がつかなければそもそも実行できないし、ROIが見合わないと判断されたら、スタートすら切れないこともある。さらに言えば、広告代理店さんや制作会社さんなど、いろんなパートナーと一緒に進めていくのがマーケティングの仕事です。

だからこそ、関係者とうまく連携してプロジェクトを前に進めていく「組織で動く力」が求められる場面がとても多いです。

そういった背景があって、「組織実行力」もちゃんとスキルの一部として見える化しておくべきだろう、という考えに至りました。「会計」「交渉」「AI活用」と3分類しました。

アップデート内容:「AI活用」は全体を底上げするスキルとして再配置

次に大きな変更点が「AI活用」の位置づけです。

マーケティングスキルマップ3.0の構想段階では、「施策遂行力」の中の「エンジニアリング」の1項目として入れるのはどうかなと考えていました。

その後、私が運営しているニュースレターの読者の方に直接ヒアリングさせていただく中で、「AI活用って、もっとスキル全体の底上げになる話ですよね。だったら下の方にあったほうがしっくりくるんじゃないですか?」っていう声をいただいたのがきっかけです。

ああ、確かにそうだなと思いまして。そこから構成を見直して、ベースとして一番下の層に置いたというのが、今回の大きな変更点の一つです。

アップデート内容:「仮説構築」「施策遂行力」まわりの整理

微調整したところで言うと、上2つ段のの各項目の粒度です。

「仮説構築力」の「消費者理解」「データ理解」、その下にある「施策遂行力」の項目も、「集客」「接客」「CRM」「クリエイティブ」「エンジニアリング」に分かれているんですけど、それぞれの粒度感を揃えるように、ちょっと調整を入れてます。

並べて見たときに、違和感が出ないようにしました。

アップデート内容:「アルゴリズム理解」も非エンジニアにとって重要

それと、今回の改訂の主なトピックとしてはもうひとつあります。

「エンジニアリング」の項目に「アルゴリズム理解」を新しく加えました。

私自身、2018年頃はSEOをかなりやってたんですが、その後ソーシャルメディアが一気に普及して、情報の流れが変わりました

今はX(Twitter)も、YouTubeも、Instagramも、全部アルゴリズムで動いてる。だから、非エンジニアのマーケターでも、アルゴリズムの仕組みをある程度は理解する必要があります。「情報をどう出すか」で、届き方が全然変わってしまうので。

たとえば、最近のXなんかそうですよね。URL付きで新着記事を投稿しても、インプレッションが全然出ない。ああいうのも、結局アルゴリズムを把握してるかどうかで、やり方が変わってくると思ってます。

なので、「アルゴリズム理解」もちゃんと項目として入れたというのが、3.0では地味に効いてるアップデートだと認識しています。

スキルマップの活用は「評価」「育成」「配置」など人材戦略の多方面に

ここからは、「このスキルマップをどう活用していくか?」というお話をしていきます。

キャリアアップや市場価値を高めたい個人はもちろん、組織でもいろんな使い方ができると思っています。たとえばマネジメントや採用、育成、評価といった文脈でも活躍します。

例えばスキルアセスメントであれば、目に見えるかたちで、「こういう戦術的なプロモーションをやってます」とか、「こういうセミナーやってます」「広告打ちました」みたいなアウトプットがあったとして、それがどういうスキルに裏打ちされているのかが見えると、納得感も変わってきますよね。

「あ、この人こういうスキルを持ってるんだな」っていうのが、ちゃんと分かるようになる。

同じように、社内での最適配置、プロジェクト参画是非を考える際にも使えます。

たとえば営業からマーケに異動したい人とか、転職してきたばかりの人に対して、「マーケっていろんな仕事があるけど、どのへんからチャレンジしてみたい?」というすり合わせをする場面でも、スキルマップが役に立つでしょう。

スキルの「可視化」で人材戦略にも使える

さらに、アセスメントによってスキルを可視化することで、他部署や他社との共有もやりやすくなりますし、採用や人材戦略の場面でも効果的に使えます。

たとえば「集客部門を強化したい」と思ったとき、「SEOに詳しい人はいるけど、SNS広告に強い人はどうだろう?」「動画広告に関しては誰が詳しいんだっけ?」というのが、感覚じゃなくてデータで把握できるようになる。

そうなると、「今後動画の比重が高まるなら、動画広告のスキルを持った人を増やさないとね」っていう判断もしやすくなるわけです。

育成の指針としても活用できる

育成の場面でも、かなり活用できます。

実際、弊社でもこのスキルマップを使っていて、まずは自己診断から始めてもらっています。(以下のアセスメントシートのテンプレートをこの記事の最後に紹介しておりますので、そちらもぜひご活用くださいね)

そのうえで、「このスキルは今後必要になるから、2から3を目指していこう」とか、「ここはプロフェッショナルとしてやっていってほしいから、半年で3から4を目指してほしい」とか、育成の指針として活用しています。

もちろん、四半期や半期ごとの人事評価のタイミングでも使えますし、「このスキルが3から4になっていて素晴らしいですね」みたいな評価にもつながります。

こうやってスキルを体系的に可視化・構造化することで、今まで曖昧で評価しづらかったマーケティングスキルが、定量的に評価できるものになっていきます。

実行フェーズで求められるスキルって、けっこう漠然としてることが多いですよね。でも、こうやって構造化してみると、「あ、自分は今ここが足りない」「ここを伸ばしていけばいいんだな」っていうのが見えてくる

なので、このマップはチームを強くするための土台としても、すごく機能すると思っています。

スキルマップはカスタマイズして使う前提

改めてお伝えしたいのが、「このスキルマップはカスタマイズ前提」です。

スキルマップに限らず、完璧なテンプレートは存在しないので、各社・各チームに合わせてアレンジして使ってもらうのがいいと思います。

実際、いろんな方が独自のアレンジ版を作っていたりもしますし、私自身も、こうやって項目数を多くしていますが、「数が多ければ多いほどいい」というわけでもないと思っています。

たとえば「英語」や「ロジカルシンキング」などの汎用的なビジネススキルは、今回はあえて外しています。3.0は、マーケティング業務に直結するスキルに絞って構成しているからです。

もちろん、会社によっては「英語が社内公用語だから、スキルマップにも入れよう」っていう判断もあると思います。それは全然アリですし、ケースバイケースで調整していただきたいです。

あとは事業内容や商品カテゴリによっても、消費者行動ってまったく違ってきますよね。それに伴って、求められる接点や経験、スキルも当然変わります。

たとえば人材業界だったら「SEO命」みたいなところもあると思うので、コンテンツSEOとかデータベース型のスキルをしっかり入れたほうがいいかもしれません。

アパレルだったらSNSが主戦場なので、「X」「TikTok」「YouTube」みたいに媒体別に細かく分けるのも有効でしょう。

BtoBの場合も同様です。

たとえば「ウェビナー」や「展示会」みたいな施策は、スキルマップ3.0には含まれていません。だから、BtoB向けのスキルマップを作るなら、そのあたりを加えていくのがいいですね。

他にも「Go To Market戦略」とか「業界理解」「セールスとの連携」「パイプラインマネジメント」なんかも、BtoBならではの大事なスキルです。そういった項目もどんどん加えて、柔軟にアレンジしていってもらえたらと思います。

チーム強化・標準化・全社連携にも活用を

最後にまとめです。このスキルマップを活用することで、以下のような効果が期待できます。

・チーム内のスキルや状態を可視化・標準化できる

・採用や育成の判断に活かせる

・他部署との認識合わせや連携もしやすくなる

たとえば「我が社はSEOが重要なんだ」となれば、「求人案件数が大事→営業から掲載許諾をもらおう→オペレーションを磨こう→そこをDXしよう」みたいに、全社的なマーケティング連携にもつながると思っています。


ぜひこのスキルマップを、それぞれの組織に合わせて柔軟に使っていただけたらうれしいです。

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